【ネタバレ有】映画『月に囚われた男』の感想と結末までのあらすじを詳しく紹介!ー人間のクローン同士と機械の友情が起こす奇跡




映画を見始めてから約10分、月で作業する宇宙飛行士の映像がずっと続くので、「暇だなぁー」と思って見ていたら、なにやら主人公らしき人物がコロコロと変わっていき、より一層ワケが分からなくなったので途中で見るのをやめようかと思った作品です(笑)。

でも、最後まで通して見たら面白かったなぁ!といった感想です。

約20分あたりを過ぎた頃に、主人公の見た目は変わっていくのに、一緒にいる機械のガーティ見た目はまったく変わってないことに気がついたんです。そして、ガーティはどんな主人公に対しても”サム”という名前で呼んでいました。

「おぉ、こりゃどういうこった?」と期待が膨らみ、そこからは物語が大きく展開していって、気がついたら映画が終わっていました!開始と終盤のギャップが激しい映画でしたね。

「ラストが微妙だ!」というレビューも多く見かけましたが、僕としてはこの終わり方はあっさりしているので好きですね。それと、作品に対する監督の考え方を知ったら、どうしてこんな終わり方をしたのか、なんとなく理解することもできました。

そんな映画『月に囚われた男』の感想と結末までのあらすじまでを紹介していきます!

記事の中にはネタバの内容が含まれていまれている箇所があるので注意してください。

1.映画『月に囚われた男』の作品情報。

監督 ダンカン・ジョーンズ
脚本 ネイサン・パーカー
ジャンル サイエンスフィクション(SF)スリラー映画
上映時間 93分
公開日 2009年1月12日(日本:2010年4月10日)
ストーリー そう遠くない近未来。地球の資源は底をつきかけており、今では地球のエネルギーのうち約7割が月からの資源を利用している。
宇宙飛行士のサムはエネルギー源を月から地球へと送るため、ルナー・インダストリーズ社からたった1人だけ月に派遣されていた。
そしてそろそろ、契約期間である3年目を迎える。2週間後には妻のテスと3歳の娘イヴに会えるのだ。それだけを楽しみにこれまでも仕事を頑張ってきたが、そんなある日、サムは体調が悪くなり事故に遭ってしまう。
そして目が覚めたとき、サムの目の前には自分とそっくりな…いや瓜二つの自分がいた。お互いが自分のことをサムだと名乗り、まったく同じ記憶を共有していた。
お互いがクローンであると気付いた2人は、これまで会社がしてきたことを探るため、立ち入り禁止とされていた宇宙船の外へと飛び出していく…。

イングランドのミュージシャン、デヴィッド・ボウイの息子が長編映画監督としてデビューした作品のようです。なんと制作費が映画にしては安い500万ドルで、たったの33日間という短い期間で作られた映画です。

その代わり、CGよりもミニチュアを多く使っているとのことだったので、宇宙ステーションの機械には若干古っぽさを感じましたね。それでも、全体的に違和感なく見ることができました。

そしてこの映画、映像からして80〜90年代に作られた古い映画かと思っていたんですよ。でも割と最近の2010年に製作されたと知って知って驚きました(笑)。

その理由は、『アウトランド』や『エイリアン』などのサイエンスフィクション(SF)の雰囲気を再現していたからで、映像を古っぽく演出していたんですね。なので密閉された宇宙船っぽい、緊迫した雰囲気が感じ取れました。

2.映画『月に囚われた男』の主な登場人物(キャスト)。

登場する人物は1人ですが、クローンがいるので2人います。何を言ってるんでしょうか僕は(;’∀’)笑。

サムを演じている俳優さんは1人かと思ったのですが、役者さんは2人で演じていたようです。序盤は1人でやられていたのだと思いますが、サムがボロボロになってから、1人1役で2人に変わったのでしょう。

それと!人物ではないものの、機械のガーティが物語に非常に大切な大事な役割を担っていますので紹介しておきます。

2−1.サム・ベル(サム・ロックウェル)

映画『月に囚われた男』のサム

主人公の名前もサムですが、なんと俳優さんの名前もサムです(笑)。

宇宙ステーションに勤めてそろそろ3年が経ち、あと2週間で地球に帰れるといったときに、自分とそっくりなもう1人のサムと出会います。事故に遭ってからは、新しいサムを演じていますね。

2−2.サム・ベル(ロビン・チョーク)

映画『月に囚われた男』のもう1人のサム

こちらがもう1人のサムです。2人が交わったとき、顔だけでなく演技までそれっぽくて面白かったですねぇ。多少CGを使ってる場面もありましたが、本当にクローンのようでした。

ちなみに、吹き替え版では声を平田広明さん(ワンピースのゾロ役)が2人のサムの声を当てているそうです。僕は字幕で見ましたが、これは吹き替え版を見ても楽しめそうですね!

2−3.ガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)

映画『月に囚われた男』のガーティー

宇宙ステーションでサムの手助けをしている機械のガーティです。見た目は劣りますが、間違いなくSiriよりも性能がいいです(笑)。よく喋るし、こちらからの問いかけに対する受け答えがしっかりしています。

ガーティはどんなことがあってもサムの命を守ることを第一に考えている、ということから、アイロボットのサニー的な存在でずっとそばにいる役割をしています。

3.映画『月に囚われた男』の結末までのあらすじ【全5ステップ・ネタバレあり】。

3-1.宇宙ステーションで事故に遭ったサム

サムは月での作業契約期間である3年をもうすぐ終えようとしていた。

映画『月に囚われた男』のワンシーン

いつものように決まった時間に目を覚まし、ランニングをして、直食を食べて、外で作業する準備を進める。が、サムはどこか疲れている様子だった。

サムが疲れ果てるのも無理もない。彼は3年間も月で1人で作業していたのだ。サムは家族に「3年は長すぎてしょうがないよ」と愚痴ったビデオメッセージを送り、相棒の機械であるガーティに髪を切ってもらうことにした。

サムの妻と娘

これだけの長い間サムが頑張ってこれたのは、他でもない妻のテスと3歳の娘のイヴのためだ。こちらから送るメッセージに対して返信はないが、たまに土星を経由して送られてくるビデオメッセージを見ては仕事に励んでいた。「もうすぐ会える」と画面に手をやるサムの姿はどこか寂しげだったが、希望に満ちているようにも見えた。

作業もひと段落してサムはくつろいでいた。そしてカップにお湯を注いでいたらところ、なにやら1人の女性の影が見えた。もちろん、サムは宇宙ステーションには自分と相棒のガーティしかいないことを知っている。不思議そうに女性の影を見つめていると、カップに注いでいたお湯に手があたり、火傷をしてしまった。彼は慌てて手を振り払うが、そこに彼女の姿はもうなかった。相棒のガーティに手の怪我を治してもらい、彼はまた仕事に戻っていった。

そして翌日も、いつものようにランニングを始めた。だが、前回よりもかなり息が上がっている。サムの中で”なにか”が変わりつつあるのは、様子から見ても明らかだった。

そして採掘機へ資源であるマシューを回収しにいくのだが、その途中にまた人影が見えた。それは昨日見たような女性の影だった。運転しながら不思議そうにその影を見ていると、横から近づいてくる採掘機に気づかず、衝突してしまった。

サムはなんとか潰されることなく、採掘機が停止してくれたおかげで生き延びることができた。だが、サムは怪我を負ってとても動ける状態ではない。手元にあるヘルメットをなんとかかぶり、空気を確保する。だがそれが精一杯で、サムの意識はそのまま遠のいてしまった。

3-2.2人のクローンであるサム同士が出会う

目が覚めると、サムは宇宙ステーションの中で横になっていた。そばにはガーティがいて、「君は事故にあったんだ」と教えてもらうが、サムは事故の衝撃からか、記憶が曖昧でよく思い出せない。ガーティからまだ寝ているように指示され、サムはまた眠りについた。

ガーティは何か隠し事をしていた

そして目が覚めたとき、部屋の外でガーティが誰かと話している声が聞こえた。この宇宙ステーションでは衛星の電波障害が起きていて、こちらからのメッセージは地球に送られないようになっているはずだ。サムが「何かおかしいぞ」と様子を見にいくと、ガーティは慌てて画面のスイッチをオフにして話すのをやめた。何かは分からないが、ガーティはサムに隠し事をしているようだった。

それからサムは仕事に戻ろうとするが、本部から外出禁止のビデオメッセージが届いてしまい、ガーティがなかなか外出許可を出してくれない。子供扱いされたことに腹を立てたサムは、室内のホースを自分で破壊し、ガーティに「外の様子を見てくる、俺たちだけの秘密だ」とお願いして、なんとか外に出してもらう許可をもらうことができた。

外へ出ようと準備をする途中、いつもの場所に宇宙服がないことに気がつく。そして外に出るといつもの場所に車がないことにも気がつく。なにか異変に気が付いたサムは、もう一台の車で自分が事故にあった採掘機の場所へ向かった。すると中には、事故にあったはずの”サム”の姿があった。

事故にあったはずの自分の姿があった。

サムは急いで車の中にいる”サム”を自分の車に乗せ、宇宙ステーションへと戻った。

サムを抱きかかえるサム

そしてサムはガーティに「彼は一体誰なんだ!!」と問いただすが、ガーティからは「直ぐに診療室へ運ぼう」としか言われない。とりあえずサムは言われたと通り、自分が運んできた”サム”を診療室へと運んだ。

しばらくすると、診療室で寝ていた”サム”は目を覚ます。右横にいるガーティに自分の状況を説明してもらったが、それよりも左奥にいる人影が気になっていた。そこには、彼を助け出したもう1人のサムの姿があった。だが、事故にあった”サム”は、目が霞んでよく見えていない。ガーティからまた休むように促され、そのまま”サム”は眠りについていった。

そして眠りから覚めた”サム”は、自分を助け出したサムと話をする。そこでお互いが同じ記憶を共有していることを知り、またお互いがクローンであることを悟った。そんな2人に、地球から「今回の事故で、地球から月に3人の救助班を送った」とのメッセージが届いた。事故にあった”サム”は「もうすぐ地球に帰れるんだ!」と喜ぶが、もう1人のサムは何か裏があるに違いないと、宇宙ステーション内を捜索し始める。

助けてもらった”サム”は、自分の場所を荒らすサムに腹を立てて揉み合いになって、鼻血を出してしまう。”サム”の体が弱ってきているのは目に見えていた。

結局、隠し部屋も何も見つけることはできなかったが、この一件を通してサム同士の友情が深まった。そして2人は「俺たちに地球と通信させないよう、電波を妨害する何かがあるに違いない」と考え始め、これまで作業していた『サラン作業区』の外へ行ってみるようと計画する。

3-3.サムはお互いがクローンで月で生かされていることを確信した

サムの呼び方が面倒なので(笑)。
これからは、サムの名前を、『サムA』と『サムB』と呼びます。そろそろ3年目を迎えるのが『サムA』で、新しくピンピンなのが『サムB』です。

2人はそれぞれ車に乗って、『サラン作業区』の逆方向へと進んで行った。

『サラン作業区』の外へ出るサムたち

新しくきたサムBは「この地区を出たことはあるのか?」とサムAに聞くが、彼は「ここを出たことは一度もない」と答えた。おそらく、これまでのサムの中でも、この地区を出るのは彼らが初めてだったはずだ。

サムBは「作業区の外なんだから、何もあるわけがないだろう」と思っていたが、何か高い塔のようなものを発見する。それて同じ頃、サムAも反対側で同じものを見つけた。それは紛れもなく、サムたちが地球と通信できなくするための電波を出す、傍受塔だった。

ここでサムBの容態が悪化する。信じたくなかった現実を目の当たりにしたからではなく、彼の体は事故しときの顔の傷も、手の火傷の跡もまだ治っていないほど、回復能力が低下していた。それどころか、体がどんどんと朽ちている様子だった。

血を吐きながらなんとか宇宙ステーションへと戻ったサムBは、これまで作業してきた人たちの履歴を見れば、真実が確かめられると思ったのか、コンピューターへのアクセスを試みた。だが、IDとパスワードが一致しない。何度やっても一致しない。なにか外側からの力で、サムたちを自由にさせまいとしているのは明らかだった。

どうしようもなく絶望した表情を見せたサムBの後ろに、彼の相棒であるガーティが現れる。何をするのかと思ったら、別のIDとパスワードを入力してログインしてくれたのた。

するとそこには、これまでのサムたちが帰還する映像が残されていた。いや、実際には帰還しているのではなく、カプセルらしきケースに入れられた後、箱の中で焼却されているようだった。

映画『月に囚われた男』の経営陣がモニターで話している。

サムは急いで映像に映っていた、地球帰還用の部屋へと足を運んだ。それはただの箱で、中には何もなかったが、箱の横に穴が空いてるのを見つける。それは焼却したサムたちの廃を吸うための穴で、床には吸いこぼしのカスが落ちていた。

「ここに、俺の知らない何かがあるに違いない。」そう確信したサムは、あたりを探し始める。すると、床に開けたことのない扉を一つだけ見つけた。バールを取り出しこじ開けると、そこにはまだ行ったことのない、地下へと続く道があった。

そこに新しくきたサムAが到着し、サムBが見つけた扉の先へ一緒に進むことにした。ハンマーを落とすとすぐに音が跳ね返ってくる。どうやら、そこまで深くはないらしい。

サムBが「俺が先に行く」と言い、後からサムAも降りてきた。そこには死体安置所のように、人が入りそうな箱が100個、いやそれ以上並べらてた。その扉を開けると、そこには自分と同じ”別のサム”が収納されていた。

3-4.妻のテスと娘のイヴだけは信じたかったサム

ここでサムBは自分もクローンの1人であることを信じざるを得なくなったが、1つだけまだ分からないことがあった。それは、妻のテスと娘イヴは本当に生きているのかどうかという、自分の生きてきた証を確かめることだった。

妻と娘の存在を確かめたかったサム

それからサムBはもう一度『サラン作業区』を出て、地球からの電波が受けられるエリアへと移動した。そして、地球にいるはずの妻のテスの家へとビデオ電話をかけたのだ。だが相手は人違いかもしれない。そう思ったサムは、電話のカメラの部分を隠しながら、相手が応答するのを待った。すると、1人の若い女性が出てきた。サムBが「そこはテス・ベルのお宅か?」と聞くと、その女性は「彼女は数年前になくなりました。」と答えた。

そこでサムBは思考停止しかけた。自分の最愛の人が、自分の知らないうちに死んでいたのだから当然だ。だが、絶望するのはまだ早い。確かめたいことがもう一つある。娘のイヴのことだ。彼女はまだ生きているのだろうか。

続けて「それは本当かい?」と聞くと、その若い女性は「ええ、私は娘ですが何か用ですか?」と答えたのだ。

ここで娘が生きていることは分かったが、サムの記憶では3歳の女の子のはずだ。サムBは「やあ、イヴか。今いくつなんだい?」と聞くと、彼女は「15歳ですけど」と答えた。

何もかもが自分の記憶と違うサムBは、続けざまに「ママはいつ死んだんだね?原因は何?」と質問で攻め立ててしまう。しかし、相手には自分がまだ誰であるかすら伝えていない。すると、画面の向こうで自分をイヴだと答えた15歳の彼女が、「パパ、ママのことで電話だよ」と、自分ではない別のパパを呼び出そうとしたのだ。

さすがに耐えられなくなったサムBは、ここで電話を切ってしまう。無理もない。自分の最愛の妻はもう死んでいて、3歳だった娘はもう15歳にまで成長している。そして自分ではない誰かが、妻の旦那として、そして娘のパパとして存在している現実を知ってしまったのだ。

妻と娘のことを知って絶望するサム

ここでサムが泣きながら「家へ帰りたい…」という場面では、思わず胸に込み上げるものがあった。これまで3年間、妻と娘のために月に1人で働いていたのに、全ては作られていた世界だったなんて、あまりにも残酷すぎだ。

3-5.月からの脱出を試みる

サムBが宇宙ステーションに戻った頃には、もう歩けないほと衰弱していて手も震えていた。そんなサムBをサムAが布団へ寝かせると、彼が何をしたのか確かめるべく、電話の通話履歴を見た。そこでサムAも同じように、妻は既に亡くなっていること、娘は15歳にまで成長していること、そして自分以外の”本当(オリジナル)のサム”がいることを知った。

ここでサムAは、この月から脱出する計画を立てた。もし救護班が来たとしても、サムAとサムBを助けてくれることはないだろう。むしろ事実を知られてしまった彼らは、サムAとサムBを殺そうとするはずだ。そう考えたサムAは、地下室に保存されている新しいサムを起こして、そいつを事故現場まで運んで事実を隠蔽し、体調の悪いサムBを地球へ帰そうとした。

だが、サムBがそれを許してくれない。ガーティを説得してなんとか新しいサムを起こすことはできたが、サムBには「俺じゃなく、こいつを殺すのか?」と反対されてしまう。

そこでサムAは、サムBの異変に気付く。明らかに体調が悪すぎるのだ。「お前、一体どうしたんだ?」と聞くと、サムBは「地球には戻らない」という。「もう足は動かないし、こんな顔じゃあ娘のイヴを怖がらせてしまう」と。続けざまに、「俺たちに人は殺せない。俺も、お前も無理だ。」と言った。そしてサムBは自分ではなく、サムAが地球へ帰るようにと提案したのだ。

それをサムAは渋々了解し、サムBでの夢でもあった地球での旅をしてくるよう約束した。

そうしてサムAはサムBを車に乗せ、事故現場へと向かった。車の中で2人は妻との出会いについて語り合う。そして、ボロボロになったサムBを事故のあった車両へと戻して、サムAは帰りの支度を始めた。

サムを事故現場に戻して戻る様子

そして宇宙ステーションを出る前に、彼にはやることが2つあった。

1つが相棒のガーティのデータの消去だ。ガーティは「君が起きてからのすべてを記録している。僕のデータを調べられたら君が危険だ」といい、自分のメモリの消去するようサムにお願いする。サムは「いいのか?」と確認するが、サムからは「君を守るのが僕の仕事だ」と言われてしまう。サムはお礼を言った後に「僕たちはプログラムじゃない、人間なんだ。」と言葉を残し、その場を後にした。

そして2つ目が、月から地球への通信を邪魔する、電波妨害塔の破壊だ。彼は電波妨害塔の座標をメモしていたので、そこに掘削機を向かわせ衝突させるようプログラムした。これならもし救護班が来ても、すぐに復旧することはできない。

そして、サムは『ヘリウム3』という物質を輸送するカプセルに紛れて地球へと帰還していった。その帰還してく様子は、事故した車の中にいるサムからもしっかり見えていた。

サムが帰還する姿をサムから見た映像

そして地球に帰ったサムは、月で資源を集めているルナ産業を告発した。自分の身柄を委員会の証人として出席し、クローンの存在も世の中に知らしめた。

会社側は「あいつはイカれ野郎か不法入国者だ!とっとと捕まえるべきだね」と反論していたが、ここで映画は終わっているため、その後どうなったのかは分からない。

ただ、彼が最後に動かした掘削機は見事に電波傍受塔へ直撃し、月から地球へと自由な通信をできるようにさせた。となると、これまで月でサムがしてきたこと、されたことが情報としてリークするのは確実だろう。

その後は解釈にもよるが、サムAはサムBと約束した通り、残り少ないであろう人生を旅しながら過ごしているのだろうと想像して、僕はこの映画を見終えた。

4.映画『月に囚われた男』の感想と評価【ネタバレあり】。

4−1.クローン同士の友情が深まっていく様子に感動した!

もしあなたの目の前に、自分と全く同じクローンが現れたらどうでしょう。僕だったら気持ち悪すぎて、そいつと仲良くしたいとは思いませんね!

サム同士も最初は同じで、お互いに全く打ち解け会おうとしませんでした。宇宙ステーションにずっといたサムAは好意的ではありましたが、サムBの方かなり敬遠していましたね。

そして次第にサムAの体調が悪くなってきたとき、だんだんとサムBがサムAに対する対応が優しくなって、友情らしい絆が見えてきたときには感動しました。月には2人しかいないんだから、なんとかしないといけない。そんな思いがサムBから伝わってきました。

結局は同じ遺伝子をもった2人。記憶だけじゃなく、根本的なところは一緒でしたね。人の心が分からない韓国の会社の敬遠人とは大違いです。

4−1−2.サム同士の友情が芽生えたと感じたのはハイタッチをしたシーン

2人の友情が象徴的に現れたのが、最後にサムBがサムAにハイタッチをしたシーンです。

最初はサムAからサムBにハイタッチしようとしましたが、そのときサムBは断ってました。しかし、ボロボロになったサムAに「お前は地球に帰れ、そして旅行でもしろ。」と言って、彼から手を出してハイタッチしました。

結局サムAが地球へ帰ることになりましたが、生きて地球へ帰りたいと願うもの同士の友情が芽生えた瞬間ですね。

4−2.家族を思うサムの心の温かさと強さ

彼らが地球に帰りたいと願い奮闘したのは、自分が地球で楽しみたいからではなく、ただ家族に会いたいその一心でした。

これまでのサムも、地球に帰れると知ったときはみんなが「家族に会える」と口にしていました。こんなにも家族を思うサムの心の温かさと、それを糧に月での作業を頑張れる強さには感激ですね。

結局、サムは自分自身をクローンだと知ってしまうわけですが、それでも家族のことを忘れずに戦い続けるなんて、男の鏡ですよほんと。僕もそんな旦那さんになりたい…。

しかもこちらから送ったビデオメッセージは相手に届いていないんですからね。相手から連絡もこないでよく3年間も月で頑張れたものです。

僕は家族と連絡も取れず、3年も月で放置されるのは嫌ですね(笑)。せめてLINEでもスカイプでも、ビデオ通話をして顔をみないと精神がやられて、まともに仕事してられないような気がします。

4−2−1.サムが見たあの幻想は誰だったのか

サムが見た幻想

サムが手にやけどをした時に現れた女性と、採掘機へ向かうときに見たこの女性、一体誰なんでしょうか?そこがちょっと分かりません。

家族である妻のテスか、娘のイヴかとも思ったのですが、どうも顔が違うんですよね。彼女のせいでサムは火傷もするし、事故にもあるし、彼が苦しんだのは彼女が原因だともいえるでしょう(笑)。

ただ、彼女のおかげで気付けなかった真実に気づけたという側面もあります。もしかしたら、既に亡くなっていた妻のテス…だったのかなぁと、最後に疑問が残りました。

誰かわかる人いたら教えてー!!

4−3.実は優しい相棒のガーティ

それと宇宙ステーションにサムと一緒にいるガーティですが、僕は最初彼が黒幕かと思ってました(笑)。

だってサムに隠れて本部と連絡とってるし、核心となるようなことは言わないし、大事なことは隠そうとするし、悪役のそれでしたよ。

しかし、物語が進むにつれて「おぉ、ガーティ実はいいやつだったんだ!」と気づかせてくれるシーンがあって、これには予想外でしたね。

というか、ガーティは悪役というよりむしろサムたちの味方でした。まさにアイロボットのサニーですよ!ロボットが人間の手助けする姿ってなんか感動しますよね。

以外にこの物語の重要な役割を担っていたガーティでしたが、彼なしで月から脱出することはできなかったでしょう。

4−3−1.ガーティこそ人間の心を持ったクローンだったのではないか

自分では気づいていなかったけれど、ガーティこそ人の心を持った機械なのではないかと感じました。

最後にサムへ自分のメモリを消すようお願いしたときも、ただの機械だったらそんなことしないはずです。大量のクローンのうちの1人が死んだところで、ガーティは困らないからです。むしろ、メモリを消すほうがバレた時のリスクがつくわけですから、それを冒してまでもサムたちを守ろうとするガーティこそ、人の心を持ったクローンだったのではないでようか。

そうなるとガーティが作られた経緯も気になりますね。彼のオリジナルモデルは誰なんでしょうか。まぁ、オリジナルのサムでないことは確かでしょうけどね。

5.映画『月に囚われた男』の宮川 輝的まとめ!

最後に、映画『月に囚われた男』の宮川 輝的まとめです。

ストーリー:★★★☆☆
配役:★★★☆☆
演出:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
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宮川 輝の総合点数:75点

残念だったのは、もう少し演出にこだわって欲しかったなということろですね。

例えば電波塔を発見するシーンなんかは、もっとこう…カメラワークを増やして間をとったら、「やっと見つけたぞ…!!」といった緊迫感を演出できたんじゃないかなと思うんですよ。そうした細かいところが、この映画の評価を下げてしまっているような気がします。

だけどもまぁ制作費がたったの500万ドルですからね。低コストであれだけの演出ができたと考えると凄いことではありますが、設定がいいだけにもう少しこだわっても良かったのかな、といった感想でした。

それでは、また次の映画紹介でお会いしましょう!