「学生が障壁を乗り越えるのに必要なこと」を観た感想。【TED】

「学生が障壁を乗り越えるのに必要なこと」を見た感想。【TED】



僕の学生時代は“逃げる”ことによって障害を乗り越えてきた。

勉強がつまらなくてもインターネットがあった。家庭が危機的状況でメンタルが辛いときも、家ではオンラインゲームができる友達がいた。進路に希望を見出せなくても、声優や音楽教室に通うことで違う道を探してきた。

学生時代に1つや2つの障害と向き合ったことのある人はとても多いと思うのだが、その声は今の学生に、届いているのだろうか?

僕は学生時代、母親が大きな病気を患っていた。当時はもちろん辛かったが、それから8年が経った今では元気に過ごすことができている。きっとあなたにも家庭のこと、学業のこと、進路のことなどで同じように苦しい経験をしているはずだ。

それを自分だけのものにしてはいけないと僕は思うのだ。声を上げることで救える人たちがいることを、僕は自分の活動を通して伝えて行きたいと思っている。

学生時代に感じる疎外感と向き合うために。

アメリカでは人種が違うことによる障害が大きいようだ。クラスに黒人が5%しかいないという理由で、疎外感を覚える学生もいるらしい。こうしたマイノリティーに属する人、というよりも、マジョリティーに馴染めなかった人というのは学生時代に疎外感を抱いていたのではないだろうか。

僕は中学生ぐらいからみんなと馴染めなかった。今思うとやはり自分の抱えていた悩みを打ち明けることができず、明るくポジティブに振舞うことができなかったからだと思う。学生というのは、誰もが明るくポジティブに振舞う人たちに憧れがちで、そこに群がろうとするものではないだろうか。

「学生が障壁を乗り越えるのに必要なこと」を見た感想。【TED】

こうしたコミュニティーへの疎外感を抱いている学生に対して、僕は堂々と「逃げ道を探しなさい。」とアドバイスをしたいと思っている。周りに合わせようとするのは一見するとよい生き方に思われるが、自分らしさを諦めるのはまともな生き方ではない。

ただ、大切なのはマジョリティーを否定しないことだと思っている。どうしても人間は、右を向けば左を向いている人が気になる。自分とは違う人に嫌悪感や嫉妬を抱きやすい。それはマジョリティーに属していてもだ。

学生というのは、この“みんなとのズレ”が疎外感に繋がるのではないだろうか。あなたと自分は違う。でも、自分生き方をしてもいいのだろうか、と。みんなと違う生き方をしても許されるのだろうか、と。

特に日本のような良くも悪くも整った教育環境では、枠からはみ出ることに罪悪感を抱きがちだ。村八分ではないが、特に若いからみんなと違うことをするだけで疎外感を覚えやすいのかもしれない。

だから、自分らしいく生きることを後押しする大人が必要なのではないか。そしてそれだけでなく、自分と違う立場にいる人でも尊敬できるように教えてあげる大人が必要なのではないだろうか。

まだまだ今の社会では、足並みを揃える学生が賞賛されやすい。それはそれで素晴らしいが、そうじゃない生き方もあるということを、僕のようなはみ出ものは伝えてあげるべきかもしれない。

やり抜く力だけでは不十分だと知った。

アンジェラ・ダックワース博士というベストセラー本も出版したペンシルベニア大学の心理学者によって、全米の学校で「やり抜く力」を基本的な価値と定義されたようだが、彼は学生一人一人と向き合ううちに「それだけでは不十分で、より具体的なものが必要だ。」と気づくようになったそう。

「学生が障壁を乗り越えるのに必要なこと」を見た感想。【TED】

確かに、世の中にはたくさんのモチベーションを高めてくれる言葉が溢れている。「努力すれば叶う!」や「最後まで終わらせろ!」「そこで諦めたら試合終了だ!」などはあなたも耳にしたことがあるだろう。

僕が専門学生のときは2014年のワールドカップで「夢を言葉に。」というコンセプトが掲げられていた。僕は進級制作のタイトルを“夢”にしたぐらい、彼らの情熱には圧倒された人間の1人だった(笑)。

しかし、振り返ってみるとやはりそれだけでは不十分だということがよくわかる。声優養成所に通ったときは「絶対にやり抜いてやるぜ!」とやる気満々だったが、決して長くは続かなかった。同じように、情熱的なメッセージを耳にすれば血が沸き立つほどのエネルギーを貰うことはできるが、それも永遠には続かない。結局は、1つ1つの小さなことを積み重ねるしかないのだ。

大きなテーマを掲げることは素晴らしい。僕も最近は、世界平和以外に生きる意味が見つからなくなってしまったくらいだ(笑)。

だが、やるべきことはいつも、いつまで経っても、目の前の小さなことでしかない。いきなり物事が大きく改善されるわけでもない。お金がたくさんあれば状況は変えられるかもしれないが、そこから深みは生まれない。

偉大な記録を残したイチロー選手が「やはり小さなことを積み重ねることが、とんでもないところにいくただ1つの道。」とインタビューで語ったように、大きなテーマを掲げたら、小さなことに全力を尽くしていくべきなのだ。

このバランスをとるのは学生には難しいかもしれない。僕も大変苦労した記憶がある。

しかし逆説的だが、この苦労があったからこそ今の気づきがあるともいえる。経験したからこそ、伝えられることがある。

障害を乗り越える力は誰にでも備わっている。

彼はやり抜く力を持った自分の優れた生徒たちを2人を例に挙げ、彼らがどのように障害を乗り越えたのかを紹介したが、彼らのことを“特別扱いするべきではない”という言葉に、とても共感させられた。

「学生が障壁を乗り越えるのに必要なこと」を見た感想。【TED】

僕も特に学生時代は、それなりの危機を乗り越えてきたが、特別ではない。こうして実名顔出しでブログを書いているが、特別ではない。そう、ちょっとばかし、みんなより頑張っているだけなのだ(笑)。

だが、どうして頑張ろうと思っているのか、自分自身でもこれまで考えたことがなかったら、もしかしたら彼が言うように、厳しい障害を乗り越えてきたからかもしれない。

もちろん、これから先もまだまだ障害が待ち受けていることだろうが、僕はそれを“障害”とは捉えていない。それが人生そのものだと知っている―いや、経験したから知っているのだ。

 

正直なところ、僕は学生には辛い時期を経験するべきだと思っている。「可愛い子には旅をさせろ」ではないが、やはりなにも障害を経験することなく育っていたのでは、人生に深みがでないというものだろう。

ただ、困っている学生を助ける環境は必要だ。それはお金かもしれない。メンタル面かもしれない。もしかしたら、優れた指導者かもしれない。

どの立場で僕が彼らの役に立てるかわからないが、僕はいつでも自分をオープンにしているから、できることには手を貸せるつもりだ。その為にブログでカウンセリングの設備も整えている。

誰にでも、たとえ10代の学生にだって、障害を乗り越える力はあるのだと気づいて欲しい。その為には、大人たちが自分の体験談を彼らに伝えることが大切なのではないだろうか。