発声の仕組みと声帯の2つの仕組みを知って歌声の理解を深める

声を出す声帯の仕組みを紹介していきます。



ここでは発声の仕組みと声帯の2つの仕組みを紹介していきます。

高い音を出したり歌声を響かせたりするためには、発声の仕組みを知る必要があります。

また、それに加えて声帯の仕組みを知れば、表現の幅を広げることができます。

そのために、まずは「声を出す」という当たり前のことを一つづつ紐解いていきましょう。

「そもそもなんで声が出るの?」という原理がわかれば、ボイストレーニングをするときに”声を出している感覚”が掴みやすくなるので、歌の上達も早くなると思います。

まずは発声の仕組みを知ろう。

まずは発声の仕組みを紹介して、それから声帯について詳しく見ていきます。

発声の仕組みは、大きく4つのステップに分けて説明することができます。

  • 肺から息を送る
  • 声帯を振動させる
  • 体で共鳴させる
  • 発音する

これは歌うときに限らず、普段人と話しているときにも無意識にやっています。

でも歌うとなるとイメージ通りの歌声に出来ない理由は、普段とは使わない発声の仕方をする必要があるからなんですね。

だからといって、会話をするときの発声の仕方と、歌うときの発声の仕方に基本的な違いはありません。ただ、歌うときの方がちょっとだけ高度なだけです。

“発声する”なんて日常的にやってることですから、意識してボイストレーニングをすれば自然と体が覚えてイメージした通りの声が出せるようになっていくはずです。

また、僕はこれまでボイトレをしてきて、歌を上達させるためにはこれらを断片的にではなく、全体的にやっていく方が効果があるなと感じています。

例えば、声帯を振動させることだけを覚えても絶対に綺麗な声を出せるようにはなりません。

その振動を共鳴させるポイントを探して、息のスピードを調節しながら、正しい発音をすることで初めて”イメージした歌声”で歌えるようになるのです。

だから最初に声の仕組みの全体を理解しておくことが大切なんですね。

いま「声を出す仕組みは4つありますよ」と全体を紹介したので、これからそれを一つ一つ詳しく見ていきたいと思います。

1.息を吸って吐く

息を吸って吐くイラストです。

息は「横隔膜(おうかくまく)」という筋肉を下げるて肺を膨らませることによって蓄えられた空気を使っています。

そして横隔膜の筋肉を緩めると肺が縮んでいくので、それにより溜めている空気が吐き出されていきます。これが呼吸の基本です。

“空気を溜めるのは肺”ということから「肺で呼吸をする」と勘違いしてしまうのですが、正しくは肺に筋肉がないので、「横隔膜を使って肺に空気を送って呼吸する」という言い方になります。

それと音程を変えるためには声帯にかける圧力を変えなくてはいけないのですが、普段の呼吸では横隔膜をほとんど使わないために肺に溜めた空気をすぐに吐き出してしまって、なかなか圧力を調節できません。

そのための圧力を調節するための呼吸法に腹式呼吸が使われます。

よく「歌には腹式呼吸が大切!」と言われますが、それは腹式呼吸をすることで横隔膜が空気を支えてくれるので、息の量とスピードをコントロールできるようになるからです。

2.声帯を振動させる

声帯から声を作るイラストです。

そして吐いた息に声帯の振動を加える事によって、「音」ができます。

声帯は喉仏のあたりにある2本の筋(スジ)でできていて、普段呼吸をしているときは常に開いた状態です。喉仏は男性ならすぐにわかりますが、女性でも顔を上にあげるとぽこっとした膨らみが見つかると思います。

ここから音を出そうとすると声帯が閉じます。そして息の圧力で空気を押し出すことによって声帯が震えて音が出ます。

実際に声帯が振動している映像がこちらです。ちょっとリアルなので、体内の映像が嫌いな方は見ないでください。

ここでのポイントは、声帯は音を作るだけということです。声帯から発音することができません。

また、声帯を伸び縮みさせることによって音域を変えられます。これについては後ほど詳しく説明していきます。

3.体で共鳴させる

共鳴腔を響かせているイラストです。

次に声帯で作られた音を、体の様々な場所で響かせていきます。

体の中で響く代表的な場所は以下の3つです。

  • 口腔(こうくう)
  • 咽頭共鳴腔(いんとうきょうめいくう)
  • 鼻腔(びくう)

体にあるこれらの空間を共鳴腔(きょうめいくう)といい、声帯の振動自体は微弱でも、ここに響かせることで大きな音にすることができます。

打楽器にも空洞がありますよね。太鼓やアコギなどと同じように、人間の声もこの共鳴腔をうまく利用することによって綺麗な歌声をさらに響かせることができます。

一番わかりやすい共鳴腔は鼻腔で、鼻に手を置いて声帯の振動を集めてみましょう。ブルブルと震えたら、正しく共鳴腔で響かせられている証拠です。

4.発音する

音から声にします。

息を声帯に通し、震わせて、体に響かせた音を、口の中で発音することで言葉になります。

発音は口の動き、舌の動きだけでなく、顎や鼻、頬などの表情筋を動かす事によっても変えることができます。

日本語は子音「k・s・m・n・l・tなど」と母音「a・i・u・e・o」とが合わさった言葉から形成されているので、あまり発音するときの筋肉が使われない特徴があります。

例えば、「み」という音は「m(子音)とi(母音)」から成り立っていますよね。

日本人が英語の発音に苦労するのは、この子音と母音を分けて発音することができないからです。

ボイトレでもよくやりますが、発音を鍛えるためには子音と母音に分けて(特に子音を強くする!)考えていきます。

ここの4つが発生するまでに人間の体で行われている一連の流れです。

プラスα:声を出すときの声帯の二つの動き。

声帯を伸ばすと声帯を締めるの二つ

さて、ここまでは”発声の仕組み”を紹介してきました。

ここからは、さらに”声帯”というピンポイントに絞って、その動きや仕組みを詳しく見てます。

声帯には主に”締める”と”伸ばす”という二つの役割から音を作ることができます。

1.声帯を締める

まずは声帯を締める役割についてです。声帯を閉じるとも言います。

息を「ハッ!」と止めると、声帯が閉めらます。そこから少しづつ力を抜いていくと息が漏れて”声”や”音”になります。

しかし、声を出すときに声帯を締めすぎてしまうと、いわゆる「喉声」と呼ばれるよくない発声方法になって喉を痛めてしまいます。

歌声も同じですが、”いい声”というのは基本的に声帯にあまり力が入っていない状態で発音しているときのことです。

なので、ボイストレーニングをするときもあまり声帯を締めることを考えないのがコツです。

息の流れに対してちょっとだけ、声帯の振動を加えてあげるようなイメージで発声するのがポイントです。

2.声帯を伸ばす

次に声帯の伸ばす役割についてです。

声帯は縦に伸びれば伸びるほど、高音になっていきます。

声帯を伸ばすときは輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)と呼ばれる筋肉を使っていて、発声練習をすることで鍛えることができます。

よく「出せる音程は人によって違う」と言われていますが、下手な人でも練習すれば音域は広げられます。僕もボイトレで音域を広げることができました。

裏声で「ハァ〜」と息を漏らしてみましょう。これは声帯が伸びているけど、完全には締まっていない状態です。ここから少しづつ声帯を締めていく事で声になります。

音楽教室でも「綺麗な歌声を身につけたかったら裏声を鍛えろ!」と教わるくらい、歌を上達させるのにとても大切な役割があります。

特に喉声になりやすい人は裏声を出すトレーニングをして輪状甲状筋を鍛えていきましょう。

声を出す声帯の仕組みまとめ。

最後にまとめです。

まず、声を出す仕組みはこの4つです。

  • 息を吸って吐く
  • 声帯を振動させる
  • 体で共鳴させる
  • 発音する

さらに声帯にはこの二つの役割があります。

  • 声帯を締める
  • 声帯を伸ばす

これで発声に関する知識が身についたので、実際にボイストレーニングで練習して感覚を掴みましょう。